早期再分極症候群

#04_意識が戻るまで 1/3

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旦那さんが心室細動で倒れた話 episode4

2日目 12/18(水)

早朝、急に目が覚めた。二度寝を試みようとしたけれどうまく出来ない。
夜中も何度も寝ては起きてでその度に母が心配そうに私の方を見ていた。

朝ごはんを母が用意してくれた。一人でなくてよかったと心から思った。
母は「工事の音がうるさいねえ、これはストレスがたまるわ」と言った。

週末までは仕事を休む事にしていたので、昼の面会まで外で時間をつぶす事にした。
コインランドリー、図書館、電気屋へ寄った。

途中会社の同期(私の旦那さんとも面識がある)から「旦那さん入院したの?」とメッセージが届いた。
どうやら私の所属部署のお姉さんが旦那さんのことを聞いてきたとか。
あとで聞いたところによると、当日(昨日)たまたま病院で持病の診察があり、たまたま家着姿の私を目撃したらしい。すごい確率である。
私は簡単に経緯を説明すると、彼女らしく冷静かつ暖かい励ましを返してくれた。

正直意識が戻るか戻らないかというXデーまでは、友人には黙っておこうと思っていたのだけど、話を聞いてもらえて少し心が軽くなった気がした。
そのあと、別の親友へも話を聞いて欲しくなり、電話をした。
彼女も、うんうんと話を聞いてくれた。

昼の面会は、私と母、そして旦那さんの両親の4人で待合室で待ち合わせをして向かった。
面会に入ると、昨日より少しさっぱりした様子の旦那さんが横になっていた。どうやら顔や体を拭いてもらったらしい。
電動の髭剃りであれば髭剃りもしてもらえるという事だったので、朝に電気屋で調達した髭剃りを渡した。
低体温療法は順調のようで、予定通り復温をはじめていくと伝えられた。スケジュールは以下の様な感じである。

 12/17(火) 15:00 34.0℃(24時間キープ)
 12/18(水) 15:00 34.0℃(24時間かけて1℃復温)
 12/19(木) 15:00 35.0℃(同上)
 12/20(金) 15:00 36.0℃(麻酔を切る)
 12/21(土) うまくいけば意識が戻る

結局土曜日まではどう転ぶか分からないということになる。
何度も計算してみたり、看護師さんに聞いたりしたけど、当たり前だが結果は変わらない。

前日と同じく“シバっている”旦那さんの手を握っていると、「奥さんにお客さんです。会社の人みたいですよ」と声を掛けられた。
驚き戸惑いつつ、救命センターの入り口に向かうと、職場の上司とお姉さんだった(職場から病院は頑張れば徒歩圏内)。
救命センター内は面会人数に制限があるため、待合室で話をすることにした。
私は状況を改めて簡潔に説明し、しばらく休みをもらうことを詫びた。
お姉さんは、買い出しとか何か出来ることがあれば気軽に声を掛けて、と言ってくれた。

そうこうしていると昼の面会時間はあっという間に終了した。
義両親はまた週末に来ると言って、帰って行った。
義母は、あとで、このときのことを「順調とは思いながらも、未だ機械に生かされている事を突き付けられたから、まだまだなんだと残念な気持ちもあった」と言っていた。気丈にふるまわれているけど、やっぱりショックが大きかったんだなあ思った。

夜の面会までの間に、ショッピングモールへ出かけ、毛糸を購入した。
赤ちゃんグッズを編むため、朝に図書館で本を借りたのである。他ごとを忘れて集中できる何かがあった方がよいと思ったからだ。

夜の面会はまた母と2人で向かった。
昼間と状況は大して変わっていない。変わっていないことにほっとして、まっすぐ家に帰った。
母は実家では見たことのない、手の凝った料理を用意していた(ただ妊婦にはハイカロリーかもしれない)。私が驚いていると「普段仕事をしているから、こんな家事に時間を掛けられる生活を一度やりたかったんだよね」と言った。
家で母の料理を食べたら前日よりかなり疲れがとれた気がした。
それから朝連絡をくれた友人と電話をして床に就いた。

3日目 12/19(木)

やはり不安で早朝に目が覚めた。もはや不眠を気にしても仕方がないな、と思った。

午前中、妊婦健診(定期健診)を受けに行った。今度のことで赤ちゃんにもかなりのストレスがかかっているのではないかと心配だったので、良いタイミングだった。母も付いていきたいと言って、付いてきた。
助産師さんに今回の事を話すと親身に聞いてくれた。そして、これまで通りお腹蹴ったりしてくれてるんだったら、大丈夫ですよ、と言ってくれた。
妊娠6か月になり、この日からエコーでの検査になった。
お世話になっている産婦人科の先生は、かなりぶっきらぼうな先生で、私の家族のことなどつゆ知らずと言った感じだった。でもいつも性別を訪ねては煙たがられていたのが(この後の検診でもそうだった)、この日はじめて、「だぶん女の子ですよ」と教えてくれた。

昼の面会時にも、目標の体温に近づけるために微調整が続けられており、低体温療法は順調に進んでいるようだった(帰るタイミングでは34.6℃)。
ふるえ具合もかなりましになり、色々な数値も前日より安定しているように見えた。
そして、この日から腕の血管への点滴だけではなく、腸に直接栄養(ごまだれみたいな液体)を送ることが開始されていた。
少しずつだけどいい方向に向かっているみたいだった。

空を見ている旦那さんへエコーの写真を見せ、女の子だよ、と伝えた。

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