早期再分極症候群

#05_意識が戻るまで2/3

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旦那さんが心室細動で倒れた話 episode5

4日目 12/20(金)

この日は久しぶりに仕事に出ることにしていた。出先で打合せの予定があったのだ。

いつもより少し遅めの時間帯に家を出て、電車に乗るとビジネスマンは少なく、学生や主婦が乗っていた。

みんな妊婦に席を譲る気はない。世知辛いなあと思いながら、久しぶりにゆっくり外の景色を見た。

青空を見ていると、きゅーっと胸が締め付けられた。

仕事の合間に昼の面会へ行った。

体温は35.9度、とだいぶ人間らしい体温へ戻っていた。

それでも寒いようで、震えていた。

麻酔も前日より減らしており、これから徐々に減らし、ちょうど24時間後くらいに麻酔が切れる、と説明を受けた。

夜の面会前、旦那さんの職場の人に会うことにしていた。

挨拶もあるが、会社の健康診断時の心電図を受け取るためである。

「労災」というワードが頭を何度もよぎりつつ、旦那さんは根っからの仕事人間(仕事が好き)なこと、本人の測り知らないところで、自分の上司と妻が言い争うのも不本意だろう、、、と踏みとどまった。

働きすぎの自分の部下が心臓発作で倒れたとなれば、気が気でないだろうな…と思った。

職場の人が帰ったあと、心電図の入った封筒を開けた。

心電図のコピーには、「所見あり異常なし」、「ブルガダ型サドルバック」と鉛筆で後書きしたように小さく書かれてあった。

自分の鼓動が早くなるのを感じた。

「なんで放っておいたの?」「本人は知ってたの?」「もしかしたら防げたの?」色々な疑問が頭を駆け巡った。

面会時に、心電図を当日説明をしてくれた男性医師に渡すと、びっくりした様な顔で、「会社から病院へ行くよう言われなかったんですか?」と尋ねられた。思わず口をついて出た感じだった。

そうだよな、と心で同意しながら、私は首を横に振った。

その先生は、続けて、とても有用な情報だけど、治療方針が大きく変わるわけではないはずだということ、そして、詳しいことは循環器内科の先生が判断するということ、を伝え、心電図をしまった。

旦那さんの体温は36.2度まで上がっていた。

一方でお昼に増して、ぶるぶる震えており、まだ体温を下げる様にしないと体温が37度や38度まであがってしまうとのことだった。
また、麻酔はまだ続けていて(昼より減らしている)、人が増えた時間帯(翌日朝)に止める措置をすると説明を受けた。

母にはずっと家や仕事のことを置いて来てもらっていることが忍びなく、夜の面会の後、帰ってもらうことにした。

代わりに電話で相談に乗ってくれていた友人が心配して泊まりに来てくれた。

情けないけど、本当にありがたい。

母の作っていったカレーを食べて、その日も日付が変わる前には就寝した。

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